この交通事故は、被害者側から見れば後味の悪いものになっています。被害者が死亡してしまったうえに、目撃証言がとれる人が「当事者」つまり「加害者しかいなかった」ため、なんと加害者の証言を元に交渉を進めることとなったこと、会社法人のため、加害者側は最初から弁護士が交渉してきたことです。
今回の事故の状況
この事故は、2005年の10月に起こった死亡事故の事例です。
交通事故の状況としては、被害者の女性が原付バイクを運転中に、走行していたトラックが車体に寄ってきました。その直後、トラックの車体と路肩のフェンスにはさまれ、頭部を打ち、死亡することになります。
この事故の特徴では、被害者が死亡してしまったうえに、目撃証言がとれる人が「当事者」つまり「加害者」しかいなかったため、加害者の証言が元になり、交渉・示談が進行していきました。
この交通事故事例のキーワードはこちら。
- 加害者の会社の弁護士が交渉
- 被害者が酔気運転
- 目撃者なし
この交通事故事例のように目撃者による第三者的な証明ができない場合、交通事故が間違いなく内容と相違ないことを誓約する旨を記載した自認書というものを作成して置かなければ不利になるおそれがあるので注意したいところです。
被害者でも加害者でも「会社」相手の交通事故は弁護士がついていること
タクシーなど、自動車が核になるような事業をおこなっている会社は、交通事故もビジネス上どうしても発生するコストとしてとらえていることが多く、要は、交通事故が発生した時の対応や交渉するポイント、どうすれば事業にダメージを与えないか、何が有利になるか、日常のなかに交通事故がある会社は、そういった対策をとっています。
特に会社の法務を預かる意味でお抱えの顧問弁護士が最初から出てくるケースもあります。
目撃者・証拠としての主なパターン
目撃証言者、もしくは交通事故の現場の状況を得られるような主なパターンを紹介します。よくあるのが通行人や近所に住んでいる人の証言です。また、トラックではなくタクシーの場合、ほとんどドライブレコーダーを完備していることが多いので、必ず証拠として扱いましょう。
- ・通行人
- ・近隣に住んでいる人
- ・近隣の店舗の監視カメラ
- ・道路ついているカメラ
- ・事故当事者の車両のドライブレコーダー
対応のポイントとして、通行人や近所に住んでいた人など、交通事故の目撃者がいたら、証言をメモをとっておく必要があります。後日裁判になることも考え、証人になってくれるよう連絡先・身元を確認しておいたほうがいいでしょう。
目撃者の重要性は高いが個人でできることには限界がある
交通事故で目撃者がいない場合、相手のモラルや良識に左右されてしまうというのは交通事故のおかしいところである。
たとえ現場で「信号無視をした」と供述していても、本人が「動転していて信号無視と言ったがよく考えたら青だった」と主張を変えて来るのはよくあることだ。目撃者の重要性は高いけれど、深夜だったり、個人で探せる目撃者にも限界があることがある。
この交通事故の事例が教えてくれることとはなんだろうか。
もし、第三者的に交通事故の状況を確認できるものがあれば、その時の詳細がもっとわかったはずである。運転手は過失はないというふうにばかり主張してきたという。被害者の遺族は、弁護士に頼む余裕もなく、相手は会社の弁護士がでてきて話が進んでいったとのこと。
アンケート回答はこの被害者の家族だった人が回答している。その中で「もっと弱い立場の人を助ける制度があればと思う。」と書いている。本当にその通りで、法律知識・経験がある側が有利になる「示談交渉」は一般の人には重荷になることが多いです。
早い段階で弁護士へ交渉を依頼することが、一番いい方法なのかもしれません。
(執筆:ジコレフ運営スタッフ)
すべての事故には違った条件がございますので、必ずしも弁護士依頼での増額を保証するものではありません。事例記事は主に交通事故被害の体験者様へのアンケート内容を元にポイントをしぼってご紹介しておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定できないよう一部を変更しているものもございますのでご了承下さい。
※記事内に使用している写真は一部資料写真になりますが、イメージ写真です。